恐怖の非定型うつ病に打ち勝とう|心を蝕む存在

医者と看護師

うつ病らしくないうつ病

相談

批判に過剰に反応

うつ病は最近ではメディアにもよく取り上げられるようになり、一般の認知が進み、早期に病院を受診する人も増えてきました。一般内科の病院などでも、仮面うつ病を疑って心療内科や精神科に紹介される事例は増えています。その一方でうつ病らしくないうつ病、非定型うつ病(新型うつ病)といわれるものも見られるようになってきました。うつ病の典型的な症状は、気分の落ち込みが続く、うれしいことや楽しかったことでさえ興味が湧かない、何を食べても美味しくなく食欲が落ちて体重が減るなどがあります。さらに、なかなか寝付けなかったり早朝に目が覚める、はっきりした理由もないのに罪の意識や自責の念にかられる、しばしば自殺について考えるといったものも挙げられます。そして、これらの症状は午前中に強く、夕方になるにつれて軽減します。一方、非定型うつ病の場合は、うれしいことや楽しいことがあると、気分がよくなります。過食で特に甘いものなどが欲しくなり、体重が増えます。睡眠時間が長くなり、10時間以上あるいは通常時よりも2時間以上睡眠が長くなるという過眠の状態になります。疲労感が強く、しばしば身体に鉛が入っているようだと形容されるように、手足に重さ・鈍さを感じます。このように、典型的なうつ病と比べると、感情、食欲、睡眠の症状が異なります。さらに、長期間に渡って対人関係上の拒絶に敏感で、他人の批判や拒否を過剰に受け止めてしまい、人間関係に疲れてしまったり、親密な人間関係を築けなくなる傾向が強くなります。

社会生活に支障が出る

拒絶されることに過敏に反応するため、他者の目を過剰に意識し、わずかなことにも大きく反応して落ち込み、仕事を休んだり、時にはリストカット、暴力などに及ぶこともあります。このため、社会生活や職業生活上に障害を引き起こしやすくなります。非定型うつ病はうつ病に比べると若いときに発症し、慢性化して心身の機能に障害を起こしやすい傾向があります。また、非定型うつ病の患者は同時に強迫性障害や不安障害、境界性パーソナリティ障害などを併発する場合が多いといわれています。非定型うつ病もうつ病と同様に精神科の病院で治療をおこないます。治療は抗うつ薬を用いた薬物療法が中心ですが、それに加えて生活改善も重要になります。病院によって治療方針に多少の差はありますが、基本的なことは変わらず、食事・睡眠・運動を基本とした生活全般のリズムを整えます。食事は野菜を中心としたものにして規則正しくとり、ジャンクフード、スイーツは避けます。睡眠時間を整えることも大切です。深夜までスマホなどを見る生活は避け、日付が変わる前には寝床に入り、7時前には起きて朝日を浴びるようにします。太陽の光が身体のリズムを整えるのに重要な役割をしますから、昼夜逆転の生活はやめましょう。さらに、生活の中に運動を取り入れます。最初は散歩やウォーキングなど30分程度持続してできるものから始めます。これらの行動療法は、薬物治療と平行しておこないますが、必ず医師と相談しその指導のもとでおこなってください。自己判断で薬をやめたり病院に行かなくなったりすることは再発の恐れがあり危険です。